平成21年度 主要な施策の成果報告書
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平成21年度 基本事業評価結果の公表
秩父市行政評価 講評
秩父市行政経営アドバイザー 関西学院大学 教授 稲沢克祐
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平成20年度から本格導入されている秩父市行政評価は、20年度において予算事業と評価事業との一致および作業の効率化を進めた「行政シート方式」の発案など、画期的な取り組みを行い、21年度においては、さらなる進展を見せた。行政経営アドバイザーとして、21年度の講評では、当該年度の9月までの進捗状況について意見を述べさせていただいたため、この講評では、21年9月から現在(22年8月6日)までの進捗状況について意見を述べることとする。
平成21年11月において、秩父市は、「オータムレビュー」の名の下に、市長のリーダーシップによって、実施計画事業の査定をトップダウンで行った。その査定では、行政評価シートから作成される「実施計画書」を基にして、これまでの事業を見直しつつ、限りある財源を、どの事業に振り向けるかという点に絞り、秩父市の将来を見据えた選択が行われたと言える。このように、行政評価を基本としたトップダウン型の予算編成は、これまでのボトムアップ型の査定の限界を超えるものであり、今後とも秩父市において定着させていただきたい内容であるだけでなく、全国の自治体の先進例となるものと確信する。
さらに、以下の2点も平成21年度の成果として挙げられる。
第1に、昨年度の講評で指摘した「職員の評価能力の向上」に向けて、職員相互による行政評価シートのチェックを行う研修が平成21年12月に実施されたことである。これは、6人1班でそれぞれが行政評価シートを持ち寄り、自己の記入以外の5事業分のシートについて、「こうしたら、この部分の記入は、さらに的確になるのではないか」、「この事務事業は、こうしたら、さらに改善されるのではないか」などを意見交換するものである。同じ秩父市役所の職員だからこそ、それぞれの事務事業の背景を理解した上での有意義な意見が交わされ、また、事務事業評価シート記入者という同じ立場だからこそ、理解を深め合うことができるという研修の効果をいかんなく発揮した内容であった。
第2に、平成22年2月に行った「市民満足度調査」である。この調査は、総合振興計画における38分野の施策について、「満足度」と「重要度」からアンケート調査することで、市民意識の長期的なトレンドを理解する手法である。さらには、後述する「施策評価」の基本データとして有効な調査となるものである。第1回目となる調査では、郵送法でありながら、51.25%という高い回答率を得ることができ、有意義なデータを獲得できた。
次に、平成22年度に入ってから進められた「基本事業評価」と「事務事業評価」の二層評価について、講評する。これまでの秩父市役所の事務事業は、その括り方から見て、他自治体では、細施策(長野県茅野市の例)と呼ばれる規模の内容であった。そのため、22年度においては、これまでの事務事業を基本事業とし、これまでの細事業を事務事業として、基本事業を総合振興計画の基本単位と捉えた評価を行った。すなわち、総合振興計画を進捗させようとした場合、基本事業を構成する複数の事務事業の中で、どの事務事業を重点的に進め、どの事務事業を財源との関係などから抑制していくのかを相対的に検討することで、総合振興計画の進捗度を向上させようとする「総合振興計画への活用」を目的とした評価方法である。それだけでなく、予算編成においても、基本事業の中で事務事業の方向性を比較検討することによって、要求と査定とを相対的に進められるようになる。
平成21年9月以降、こうした進展の基に、平成22年9月以降の秩父市役所の行政経営があるという理解において、以下、今後の課題を3点提示しておく。
第1に、基本事業評価と事務事業評価との二層構造による事務事業の相対化を進めた結果を受けて、平成23年度予算の要求と査定とが行われなければならない。要求する側も査定する側も、総合振興計画の進捗と資源の最適配分を基本事業の単位で考えていく姿勢が求められるところである。
第2に、今年度、緒に就いた二層構造の評価について、その記載内容の的確性を追求するとともに、さらなる評価能力の向上を目指した研修の実施が求められる。
第3に、22年度末に実施された市民満足度調査を、施策評価へとつなげていくための実質的検討がなされなければならない。その上で、「施策評価‐基本事業評価-事務事業評価」の三層構造が、総合振興計画の進捗管理と予算編成とに活用されていく道筋を構築していくことになる。
行政評価を先行的に導入した多くの自治体から、「行政評価が活用されていない」、「形骸化してきている」という声を聞く中で、秩父市の場合は、「活用するための行政評価」を構築しようとしてきた成果が今、着実に現れてきている。だからこそ、基本事業評価記入者(主に課長)、事務事業評価記入者(主に係長職)の二層別の丁寧な研修によって、評価能力のさらなる向上を期待する。もとより、上述したような行政評価の発展を支えてきたのは、秩父市役所の課長であり係長職であるから、アドバイザーとして、その能力は高く評価している。その上での期待ととらえていただきたい。
(以上)
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